お疲れ様です。きざきまるおです。
今回はOracle Databaseの概要についてまとめていこうと思います。
改めて基礎を確認したい方におすすめの内容となっています。
それではどうぞ。
Oracle
Oracle Databaseのアーキテクチャは、物理的な構造と論理的なコンポーネントから成り立っています。物理的な構造は、データベースファイル、メモリ構造、およびプロセス構造から構成されます。論理的なコンポーネントには、データベース、表、ビュー、インデックス、およびトリガなどが含まれます。
まず、データベースファイルは、実際のデータとその制御情報を格納するために使用されます。これには、データファイル、制御ファイル、およびログファイルが含まれます。データファイルは、テーブル、インデックス、およびその他のオブジェクトの実際のデータを格納します。制御ファイルは、データベースの構造と一貫性を維持するための情報を含みます。ログファイルは、データベースの変更操作を記録し、データの復旧や障害時の回復を可能にします。
次に、メモリ構造は、高速なデータアクセスと処理をサポートするために使用されます。Oracle Databaseは、データベースバッファキャッシュ、共有プール、およびPGA（Program Global Area）と呼ばれる領域を管理します。データベースバッファキャッシュは、ディスク上のデータへのアクセスを回避するために使用されるメモリ領域であり、より高速なデータアクセスを可能にします。共有プールは、共有SQLエリア、ライブラリキャッシュ、およびデータベースバッファキャッシュなどのコンポーネントを含みます。PGAは、個々のセッションやプロセスのメモリ領域であり、ソート操作やハッシュテーブルなどの処理に使用されます。
さらに、Oracle Databaseは、複数のプロセスで機能します。重要なプロセスには、インスタンス起動プロセス（Instance Startup Process）、バックグラウンドプロセス、およびユーザープロセスがあります。
インスタンス起動プロセスは、データベースの起動と終了を管理する責任を持ちます。データベースが起動すると、バックグラウンドプロセスが開始されます。これらのプロセスは、データベースの安定性とパフォーマンスを維持するために様々なタスクを実行します。
バックグラウンドプロセスには、以下のようなものがあります：
- チェックポイントプロセス（Checkpoint Process）: データベースの変更をデータファイルに書き込むことで、データの永続性を確保します。
- バックグラウンドファイルI/Oプロセス（Background File I/O Process）: ファイルの読み書きを管理し、データベースファイルへのアクセスを効率化します。
- ジャンクションプロセス（Junction Process）: データベースインスタンス間での通信を処理し、分散データベースの管理をサポートします。
- リカバリプロセス（Recovery Process）: 障害発生時のデータベースの回復を担当します。ログファイルからデータを復元するなど、データの一貫性を保つ役割を果たします。
ユーザープロセスは、Oracle Databaseにアクセスするためにクライアントからの接続を処理します。ユーザープロセスは、クエリの実行、トランザクションの管理、データの取得や更新など、ユーザーの要求に応じてデータベースに対する操作を実行します。
Oracle Databaseのアーキテクチャは、スケーラビリティ、可用性、パフォーマンスの向上に焦点を当てています。複数のインスタンスやクラスタリングを使用することで、大規模なデータベース環境での高いパフォーマンスと可用性を実現します。また、データのセキュリティや管理、バックアップ、復旧機能など、豊富な管理機能も備えています。
総括すると、Oracle Databaseのアーキテクチャは、物理的な構造と論理的なコンポーネントから成り立ちます。
データベースの物理的な構造に関して、データファイルは表やインデックスなどのオブジェクトの実際のデータを格納するために使用されます。制御ファイルはデータベースの構造や設定情報を保持し、データベースの一貫性と整合性を確保します。ログファイルはデータベースの変更操作を記録し、障害時のデータの回復やデータベースの復旧を可能にします。
論理的なコンポーネントには、データベース、表、ビュー、インデックス、およびトリガが含まれます。データベースは、関連するデータやオブジェクトの集合であり、データベース管理システム（DBMS）によって管理されます。データベース内の表は、データを格納するための基本的な構造であり、カラム（列）とロウ（行）で構成されます。ビューは、1つ以上の表や他のビューから派生された仮想的な表であり、特定のデータセットやクエリの結果を表示します。
インデックスは、データベースのパフォーマンスを向上させるために使用されます。インデックスは、特定のカラムまたは組み合わせの値に基づいてデータを高速に検索できるようにします。インデックスはデータの物理的なソート順序やユニーク性を確保し、データの検索や参照操作の効率を改善します。
トリガは、データベース内の特定のイベント（データの変更や操作の発生など）に対して自動的に実行されるプログラムの塊です。トリガはデータの整合性やセキュリティの確保、ビジネスルールの実装などのために使用されます。トリガは事前（BEFORE）または事後（AFTER）のイベントに関連付けられることがあり、データの変更や追加操作に対してさまざまなアクションを実行することができます。
Oracle Databaseのアーキテクチャは、高い可用性とスケーラビリティを提供するために、いくつかの追加の機能とコンポーネントを備えています。
オンラインリドゥログ（Online Redo Log）は、データベースのトランザクション処理を保護するために使用されます。リドゥログは、データベースで行われた変更操作のログを格納し、障害発生時のデータの回復を可能にします。リドゥログはパフォーマンスを向上させるためにグループ化され、データベースの安全な状態を維持します。
アーカイブログ（Archive Log）は、リドゥログのバックアップと保存を行うために使用されます。アーカイブログは、過去のトランザクション履歴を保持し、データの復旧やデータの歴史的な分析などに使用されます。
クラスタリング（Clustering）は、複数のOracleインスタンスをクラスタとしてグループ化し、高可用性と負荷分散を実現します。クラスタリングにより、一つのインスタンスに障害が発生しても他のインスタンスが引き継ぎ処理を行い、データベースの可用性を確保します。
データベースセキュリティは、Oracle Databaseの重要な側面です。Oracle Databaseは、アクセス制御、データ暗号化、監査、ロールベースのセキュリティなどの機能を提供し、データの機密性と完全性を保護します。さらに、Oracle Advanced Securityオプションを使用すると、ネットワークトラフィックの暗号化やデータマスキングなどの高度なセキュリティ機能も利用できます。
最後に、Oracle Databaseは開発者に対して豊富な機能とツールを提供します。PL/SQLと呼ばれるOracle独自のプログラミング言語を使用して、データベース内での強力な処理やストアドプロシージャの作成が可能です。また、Oracle Enterprise ManagerやSQL Developerなどのツールを使用することで、データベースの管理、モニタリング、チューニングなどを行うことができます。
それではまた。
